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電線ケーブル技術資料
太陽光発電ケーブルの選定と許容電流
太陽電池で発電した電気を離れた場所で使うには配線ケーブルが必要です。
単に配線ケーブルといっても様々な種類があり、流す電流、電圧、そして使用環境に合わせて適切なものを選定する必要があります。
参考例① | 参考例② |
ソーラーパネル | CVケーブルとコネクタ |
参考例①
参考例②
ソーラーパネル
CVケーブルとコネクタ
ケーブルの種類
耐電圧:600V、耐熱温度:90℃
太陽光の紫外線にさらされることのある太陽光パネルの配線に利用するケーブルです、太陽光パネルとチャージコントローラの接続やチャージコントローラやバッテリーとの接続に使います。
ケーブル被覆に耐候性の素材を使用しています、そのままの状態で風雨にさらされる屋外や地中に埋めて使用することができ導体は「より線」が一般的です。
夏場の屋根上に設置した太陽電池付近の温度は80℃に達するといわれています。
耐電圧:300V、耐熱温度:60℃
屋内で使用する300V以下の小型電気器具の電源コードとして使用されています。
シース(絶縁被覆)に耐候性素材を使用したものは屋外配線に使用できますが、耐熱温度は60℃なので、屋根への直接設置は避けましょう。
耐電圧:600V、耐熱温度:60℃
「Fケーブル」と呼ばれ一般住宅の屋内配線に使われているケーブルです。
配線ダクト内に設置することにより地中に埋めて使うこともあり導体は「単線」が一般的です。
VVFケーブルは耐熱温度が60℃なので太陽光パネルから屋外部分へ設置することはできません。
風雨の影響がない屋内で使用します。
耐電圧:600V、耐熱温度:60℃
IV電線は、( Indoor PVC )の略称で屋内配線用の絶縁電線です。600V以下の主に一般電気工作物や電気機器に用いられます。
屋内電気配線用途としては、接地用の電線や、スイッチ・コンセント類の渡り線として使用されています。塩化ビニル樹脂が主流の電線で絶縁体最高許容温度は60℃となっており、敷設場所や電流値を計画する必要があります。
耐電圧:600V、耐熱温度:60℃
チャージコントローラ・バッテリー・インバータ配線など風雨の影響が無い屋内配線に使用します。KIVケーブルは600V以下の電気機器の配線及び制御盤などの配線に使用されるケーブルです。
配線ダクト内に設置することにより地中に埋めて使うこともあり導体は「単線」が一般的です。
導体に可とう撚線を使用しており、柔軟性に優れています。
低圧屋内配線の許容電流
許容電流とは、電線やケーブルに流すことができる電流の最大値になります。
電線やケーブルに電流を流しますと、導体が持つ抵抗によりケーブルが発熱し
電線が劣化したり被覆が溶融したりするのでケーブルは許容電流という数値を定め、流す電流値を制限しています。
電線に電気抵抗がまったくなければ、発熱しないので電流をいくらでも流せますが、電線には
電気抵抗が存在しますの、P = I^2×R の計算に基づき、熱が発生します。
電流値が大きいほど大きな発熱になり、電線の許容電流を超過した電流を長時間流すと、加熱された導体が絶縁物やシースを溶融し火災事故等に繋がる可能性があります。
電線の許容電流を把握し、系統の遮断器容量、負荷容量から算出される電流値に対して適正な電線を選定することは、安全性、経済性において重要になります。
許容電流値を確認しケーブル選定を行います。
太さを表す単位として、より線は断面積(mm2)、単線は直径(mm)が用いられます。
導体 | 許容電流 A | |
より線SQ(mm2) | 単線 mm | |
1.0 | 16 | |
1.2 | 19 | |
1.6 | 27 | |
2.0 | 35 | |
2.6 | 48 | |
3.2 | 62 | |
0.9 | 17 | |
1.25 | 19 | |
2 | 27 | |
3.5 | 37 | |
5.5 | 49 | |
8 | 61 | |
14 | 88 | |
22 | 115 | |
30 | 139 | |
38 | 162 | |
50 | 190 |