compensating wire
補償導線
No. | 種類 | 基準製品 | 型式記号 | 素線数/ 素線径 (mm) |
標準 仕上り寸法 (mm) |
絶縁・保護被覆 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
材料 | 被覆最高使用 温度(℃) |
||||||
1 | RX | RX-G=VVF | 7/0.30 7/0.65 |
2.9×4.8 4.8×7.9 |
ビニル | 60 | |
2 | KX | KX-G=VVF | |||||
3 | VX | VX-G=VVF | |||||
4 | EX | EX-G=VVF | |||||
5 | JX | JX-G=VVF | |||||
6 | TX | TX-G=VVF | |||||
7 | RX | RX-H=GGF | 7/0.30 7/0.65 |
2.4×4.0 3.5×6.1 |
ガラス糸 編組 |
150 | |
8 | KX | KX-H=GGF | |||||
9 | WX | WX-H=GGF | |||||
10 | VX | VX-H=GGF | |||||
11 | EX | EX-H=GGF | |||||
12 | JX | JX-H=GGF | |||||
13 | TX | TX-H=GGF |
1.補償導線とは
補償導線とは、熱電対(温度計)と計器の間をつなぐ専用のリード線のことです。
補償導線は定められた温度範囲(通常は200℃以下)で、熱電対と近似した熱起電力特性を有します。熱電対と計器を接続する際、補償導線を使用することで配線途中の電気的、機械的障害を取り除き、熱電対を延長した場合と同等の高度な温度測定ができます。
熱電対と計器を接続する場合、熱電対をそのまま計器に接続する方法が理想的ですが、熱電対材料が高価でなことや、また絶縁抵抗、機械的強度、及び配線途中の誘導により測定精度が悪くなる等の種々の問題があるため、熱電対と計測器の間を通常の導線のように手軽に扱うことができる、補償導線で接続するのが一般的です。
2.補償導線の種類
1.R及びS熱電対用補償導線
R及びS熱電対用補償導線は、白金ロジウム - 白金熱電対と組み合わせて使用され、(+)側導体に純銅線、(-)側導体にR及びS用低ニッケル銅合金線を使用するコンペンセーション型(補償型)補償導線です。
R及びS熱電対用補償導線は100℃以上の高温領域で誤差温度が大きくなるという欠点があるため、JISC1610-1995耐熱用補償導線では、誤差温度の許容差が±7℃と大きく与えられています。
従って、R及びS熱電対用補償導線をご使用になる場合は、熱電対と補償導線との接続点の温度を100℃以下に保持する工夫が必要となります。
記号 | 補償接点温度 (℃) |
許容差 (℃) |
記号 | 補償接点温度 (℃) |
許容差 (℃) |
---|---|---|---|---|---|
JIS C 1610-1981 | JIS C 1610-1995 | ||||
RX,SX-G | 0~+90 | +3.0 -7.0 |
RCA-2-G | 0~+90 | ±4.0 |
SCA-2-G | |||||
RX,SX-H | 0~+150 | RCB-2-H | 0~+150 | ±7.0 | |
SCB-2-H |
表中JIS C 1610-1995のG、Hは絶縁体の材料の使用区分を示します。
従って使用温度範囲を補償接点温度として示します。
(G…一般用(ビニル被覆)、H…耐熱用(ガラス被覆))
記号 | 温度範囲(℃) | 許容差(℃) |
---|---|---|
RX, SX | 0~+200 | ±5.0 |
2. K熱電対用補償導線
K熱電対用補償導線は、K熱電対(クロメル - アルメル熱電対)と組み合わせて使用され、次の3種類の補償導線があります。
1.クロメル、アルメルK熱電対用補償導線 (KX)
KX補償導線は、(+)側導体にクロメル線(ニッケル-クロム合金線)、(-)側導体にアルメル線(ニッケル合金線)を使用する導体材質が、熱電対と同材質のエクステンション型(延長型)補償導線より高精度な測定を要求される場合には、こちらをご使用ください。
2.鉄 - 銅ニッケル合金(コンスタンタン) K熱電対用補償導線 (KCB)
KCB補償導線は、(+)側導体に鉄線,(-)側導体に銅ニッケル合金線(コンスタンタン線)を使用するコンペンセーション型(補償型)補償導線です。
KCB補償導線は、KX補償導線のように広い温度範囲で高精度を保つことはできませんが、補償接点温度を150℃以下で安定して保つことができれば、KX補償導線に比べ価格も安く、幅広い分野での使用が可能です。
3.銅 - 銅ニッケル合金(コンスタンタン) K熱電対用補償導線 (KCC)
C補償導線は、(+)側導体に銅線、(-)側導体に銅ニッケル合金線(コンスタンタン線)を使用するコンペンセーション型(補償型)補償導線です。
KCC補償導線は、100℃以上の高温領域で誤差温度が大きくなり、補償接点温度が100℃以上になる場合は温度許容差±2.5℃を満足できないため、ご使用いただけません。
補償接点温度(熱電対と補償導線の接続点の温度)と精度を考慮し、これら3種類の補償導線の材質を選択、決定してください。
記号 | 補償接点温度 (℃) |
許容差 (℃) |
記号 | 補償接点温度 (℃) |
許容差 (℃) |
---|---|---|---|---|---|
JIS C 1610-1981 | JIS C 1610-1995 | ||||
KX-G | -20~+90 | ±2.5 | KX-1-G | -20~+90 | ±1.5 |
KX-GS | ±1.5 | KX-1-H | 0~+150 | ||
KX-1-S | -25~+200 | ||||
KX-H | 0~+150 | ±2.5 | KX-2-G | -20~+90 | ±2.5 |
KX-HS | ±1.5 | KX-2-H | 0~+150 | ||
KX-2-S | -25~+200 | ||||
WX-G | -20~+90 | ±3.0 | KCB-2-G | 0~+90 | |
WX-H | 0~+150 | KCB-2-H | 0~+150 | ||
VX-G | -20~+90 | ±2.5 | KCC-2-G | 0~+90 |
表中JIS C 1610-1995のG、H、Sは絶縁体の材料の使用区分を示します。
従って使用温度範囲を補償接点温度として示します。
(G…一般用(ビニル被覆)、H…耐熱用(ガラス被覆)S…高耐熱用(テフロン被覆))
記号 | 温度範囲(℃) | 許容差(℃) | |
---|---|---|---|
KX | 0~+200 | Standard | Special |
±2.2 | - |
3. E熱電対用補償導線(EX)
EX補償導線は、クロメル-コンスタンタン熱電対(銅ニッケル合金熱電対)と組み合わせて使用され、(+)側導体にクロニック線(ニッケル-クロム合金線)、(-)側導体に銅ニッケル合金線(コンスタンタン線)を使用する導体材質が、熱電対と同材質のエクステンション型(延長型)補償導線であるため、現在使用されている熱電対の中で、発生熱起電力が最も大きく、900℃未満の温度範囲で高感度、高精度の測定が可能です。
記号 | 補償接点温度 (℃) |
許容差 (℃) |
記号 | 補償接点温度 (℃) |
許容差 (℃) |
---|---|---|---|---|---|
JIS C 1610-1981 | JIS C 1610-1995 | ||||
EX-G | -20~+90 | ±2.5 | EX-1-G | -20~+90 | ±1.5 |
EX-1-H | 0~+150 | ||||
EX-1-S | -25~+200 | ||||
EX-H | 0~+150 | EX-2-G | -20~+90 | ±2.5 | |
EX-2-H | 0~+150 | ||||
EX-2-S | -25~+200 |
表中JIS C 1610-1995のG、H、Sは絶縁体の材料の使用区分を示します。
従って使用温度範囲を補償接点温度として示します。
(G…一般用(ビニル被覆)、H…耐熱用(ガラス被覆)S…高耐熱用(テフロン被覆))
記号 | 温度範囲(℃) | 許容差(℃) | |
---|---|---|---|
EX | 0~+200 | Standard | Special |
±1.7 | - |
4. J熱電対用補償導線(JX)
JX補償導線は、鉄-コンスタンタン熱電対(銅ニッケル合金熱電対)と組み合わせて使用され、(+)側導体に亜鉛メッキ純鉄線、(-)側導体に銅ニッケル合金線(コンスタンタン線)を使用する導体材質が熱電対と同材質のエクステンション型補償導線です。
J熱電対は、E熱電対に次いで発生熱起電力が大きく、中温度領域の測定に広く使用可能です。
ただし、(+)側導体に防錆処理として亜鉛鍍金加工した純鉄線を使用していますので、端末処理にご注意ください。
記号 | 補償接点温度 (℃) |
許容差 (℃) |
記号 | 補償接点温度 (℃) |
許容差 (℃) |
---|---|---|---|---|---|
JIS C 1610-1981 | JIS C 1610-1995 | ||||
JX-G | -20~+90 | ±2.5 | JX-1-G | -20~+90 | ±1.5 |
JX-1-H | 0~+150 | ||||
JX-1-S | -25~+200 | ||||
JX-H | 0~+150 | JX-2-G | -20~+90 | ±2.5 | |
JX-2-H | 0~+150 | ||||
JX-2-S | -25~+200 |
表中JIS C 1610-1995のG、H、Sは絶縁体の材料の使用区分を示します。
従って使用温度範囲を補償接点温度として示します。
(G…一般用(ビニル被覆)、H…耐熱用(ガラス被覆)S…高耐熱用(テフロン被覆))
記号 | 温度範囲(℃) | 許容差(℃) | |
---|---|---|---|
JX | 0~+200 | Standard | Special |
±2.2 | ±1.1 |
ビニル絶縁被覆補償導線
1対・多対丸型補償導線










耐熱用補償導線

